研究テーマ:ESPARアンテナを用いた車載向け地上デジタル放送受信機に関する研究

担当者:亀山 博紀   


研究概要

   地上デジタルTV放送を移動受信する際には、電波塔から送信された放送波が地面あるいは建物に反射されて重なり合って受信機に届くことで電波の振幅や位相を変動させる、いわゆるマルチパスフェージングという問題が受信性能の面で大きな障害になってきます。そのため、マルチパスフェージング対策として、同じ電波でも位置によって辿る経路が異なるという前提のもと、互いに離れた位置に複数のアンテナを設置しそれぞれが受信した振幅や位相の異なる電波を選択合成することで受信性能を向上させる、空間ダイバーシチ受信と呼ばれる技術が広く用いられています。この技術を用いることでマルチパスフェージング環境下でも高い受信性能を実現できますが、その一方でアンテナ素子数に応じたアナログ信号処理回路が必要となるため、受信機のハードウェア規模や消費電力が問題となります。

   近年、ハードウェア規模や消費電力といった問題を解決する手段として、単一のアンテナで指向性を制御し、空間ダイバーシチ受信と同様の効果が得られる、ESPAR(Electronically Steerable Passive Array Radiator)アンテナと呼ばれるアンテナが注目されています。私たちの研究室では、このESPARアンテナを用いた無線LANのためのダイバーシチ受信機を実現し、従来のダイバーシチ受信機と同等の性能を持っていることを証明しています。しかし、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)と呼ばれる同じ通信方式を用いている無線LANと地上デジタルTV放送でも、送信する際のフレーム構成が大きく異なるため、同じ受信機を直接地上デジタルTV放送に適用することはできません。

   そこで本研究では、ESPARアンテナを用いた地上デジタルTV放送のためのダイバーシチ受信機を提案します。



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